上流のゼクシィ本誌の打ち手を誤るとすべてが崩れる
ゼクシィ本誌の原稿をしっかり練らずして上手くいく店は少ない
─ コロナ禍でもゼクシィ本誌の影響力はあることがわかる
この1年半各店舗の集客を見て情報を集めている中で、ゼクシィも色々と頑張っていると思います。ゼクシィ本誌ということであれば影響力がある事が改めてわかりました。その影響の出方が面白いと感じています。 大都市部では市場の5割程度しか動いていないようですが、競争原理の中でしっかり打ち出しているところの方が客は来ています。ただ、そもそものポテンシャルの高い外資ホテルは増減に関係なく飛躍しているというほどのレベルではありませんが、前々年並みの水準で動くケースが多く、コロナの影響度が小さいのかコロナにより希望するスタイルが変わっているのかは別にして、そこまで変わっていない。
そもそも広告に依存した外資やホテルは一度落ち、そこから回復のために広告を増やしています。そうでないホテルで、1回広告掲載をやめた、減らした会社が広告を徐々に戻したりしているものの、元に戻らない。コロナ前にすでにギリギリの戦いをしていたからなのか、広告を元に戻したからといって集客が元に戻らないという傾向があります。
世の中では、自社集客だ、ウェブだ、SNSだ、というものの、このコロナ禍の期間でゼクシィ以外を頑張った会社は、その強化した部分の来店数は増えていると思いますし、私どももウェブもやっていますが、普通にしているだけなのにウェブ経由が増えましたというのが多くなっているケースもあります。 総来店数は大体下がっているので、余計に目立ちます。新郎新婦の動きとして初動のタイミングかどうかは別として、ウェブの閲覧が増えていることはわかりますが、ただ、「ゼクシィ」か「自社集客」とか「ゼクシィ」か「ポータルサイト」という二元論ではないと考えています。
上流のゼクシィの打ち手を誤ると全部が壊れているというのを非常に感じていて、ゼクシィをちゃんとやったからといって上手くいくわけではありませんが、ゼクシィちゃんとやらなくて上手くいく店は少ないという状態です。
エリアによっては、ページを沢山出してもダメだという地域があります。ゼクシィに出すことがいいわけではなく、その時代あるいはその市場、ターゲットに合った情報が満載であれば強いが、結果として評価されない、マイナスに捉えられている情報が多く出ています。
その店が知られていても来ないケースがあり、この場合はロビーが三密になりそうだとか、披露宴の内容が昔と変わっていなくて心配だとか、事実と知らないが故の予想など色々ありますが、しっかり一番店として広告を出していてもびくともしないという地域があり、知られているが故、客層が真面目な層が多かったが故、来店が減るということもあります。人気だから行く、安心だから行くと考えていた層は、コロナで安心になっても、そもそもこの最中で結婚式をやらないという状態の顧客が多い、あるいはそういう人に響く広告を作っていて、いざこういう事態になると来ないとかはあります。
─ 写真の加工一つで集客にも影響
色々な要因はありますが、ページ数が多くても来ないという現象が起こっていて、減らそうかというケースもあり、こういう店が減らすのは仕方ないと思います。しかし、減らしてはいけない店が減らすとちゃんといなくなるというものはあります。なんとなくゼクシィが効果がないというのではなく、世の中の市場の通り、半分から3分の2になっているが、影響の出方が違うということです。結局のところ大きなパイを掴むにはゼクシィの本誌からネットへの連動で、ゼクシィネットは同じパックを使っていても、本誌を減らすときちんと減ります。私以外の多くはそんなことを言っても本誌はそんなに効果がないのではという見解の人が多いし、実際にやっている方の多くはそういう判断をされていますが、ただ結果としてとある会場のメインビジュアルをガーデンビジュアルの色味を2019年、20年に新しく撮影したもので効果がないことについて仮説を立てた時に、入れ替えた方が来店が増えたりとか、そういう現象は他の店でも同じようなことがあり、写真の加工の仕方でも集客が変わっています。本誌もネットも同時に変えることが多いものの、追いつかないことも多いので、ユーザーの動きを見ていると、同じページ数でもビジュアルを入れ替えるだけで動きが変わり、本誌を見たり、来たという人の数も率も変わっているのを見ると、いまだに大きな影響があるのだと思います。
本誌にどう載せるかが効果の一部を担っていることは変わらないし、送客数にも影響を与えるくらい本誌の内容は大事だと思います。
とある店ではチャペルのビジュアルの光の加減を元気なハウスウェディング風の色味に変えたら客が減って、逆にナチュラルトーンに変えたら増えたとかあります。ただ、難しいのは原稿を変えなくても今はコロナの感染の状況との関連もあるので、それだけではないと思うものの影響はあると思います。
─ こねくり回して過ぎてもNG。必要なものだけ変える
ゼクシィ本誌を2号見たり、本誌とゼクシィネットをピンポンのように移動している人もいて、さらにはポータルサイト、口コミ、SNSもチェックしている人がいるので、こねくり回しすぎると逆に嘘ついている感が満載になりダメなので、じっくりと必要なものを変えていく必要はあると思います。最近は本誌とネットを両方担当していないケースが多くなっています。そうすると情報がずれて行き、本誌が宙に浮いたような形になり、より効果がなく見えるという現象が起きています。
また、時期限定のプランや新型コロナ対策など、お客様が過敏に反応する内容は特にタイムリーに修正する必要がある。
ゼクシィ本誌全体から希望式場をいくつか選んだり、探しきれないからゼクシィネットに入りますが、その一部はゼクシィ本誌で集めたお客様がネットの仕組みの中で他のポータルサイトなどに奪われたり、奪い返したりして、本の反応がそのまま来店ではないというところがあり、効果がわかりにくいということがあります。それでも本誌のページ数や内容を変えることによる増減がある。そこはライバルとの関係やネットでの奪い合いもある。できるだけ本に載せたことを生かした、ゼクシィネットを作ればそのこぼれは減ります。
その一方で、本に合わせた行動をとるということは1か月間動けないということを意味します。集客減の今、とにかく来店が少ないと「すぐゼクシィネットを触れ」と、ゼクシィの方もその店の上位の役職者たちも言うので、結果的には本に出した内容がかき消されるような内容になることが多く、多くの企業では本誌の効果がないのではとなっているという状況だと思います。言いたいことをとにかく発信するだけでなく、情報の信ぴょう性の確保やブランド管理なども考えて広告作りをする必要があり、その上での工夫なのではないかと思う今日この頃です。
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