【WJ記事_08】<ウェブ活用その7>ホームページを運用する人が必要なスキル(2021/6/25_142号)

目先だけでなくトータルで考える力が必要に。細かい技術的なことよりも全体を俯瞰できるマーケティング力




マーケティングの一環として学ぶ

自社HPの運用を行うためにはどんなスキルが必要か、 どのように学べば良いかを聞かれることもありますが、 私は「マーケティング」の一貫として教えています。 ウェブの知識をどこまで持てばよいかは会社によって違いますが、制作会社・運用会社が誠実であれば、式場側は使い方さえわかればよいです。あとはそれでどうやって人が動くかがわかれば良いと考えています。 ゼクシィ本誌やその他上流の広告の戦略やライバル店舗の情報をしっかりと理解した上で、自社サイトの効果をチェックし、課題を見つけ、サイト更新の仕事に入れば、ウェブの専門家でなくてもある程度出来ると思います。大きな方針が決まったうえで、日々更新すべき情報やビジュアルを短納期で修正することできることが大事で、例えばブログを上げましょうという時に、HTMLを覚えてなければできないとなれば大変ですが、割り切ってできる範囲で写真と文字を配置するだけでよいです。更新業務に対して、以前のパーティレポートもそうですが、前はこだわりのデザインが入ったパーティレポートが多く、情報を集めるにも立派なフォーマットに沿って集めないといけないので、なかなか集まらず、集めた後も写真、文章の配置に時間がかかり、さらに費用も掛かり、結果として頑張った時期だけいっぱい掲載され、コロナ前の情報しか掲載されていない会場も多々あります。普通に対応画面に入れるだけでおしゃれ感のあるパーティレポートが完成するようにすれば、専門性がなくても普通にネット更新ができれば十分となります。いわゆるPCが使える感覚があれば、十分いけるはずです。 どちらかといえば、ゼクシィnetのフォトギャラリーのキャプションが書けないとか、20カセット、最大200枚の写真をどういう順番で、どう配置するといいかがわからない方が多いので。
機械の世界でも、入力でもなく構成力とか表現力の問題の方が、実はウェブの仕事をしていても多いと思います。当社の社員でもライターがいますが、普通に紙の時代から出ているようなライティングの講座の本を読んで勉強したり、簡単に言うと国語ですから。国語の勉強が必要になりますし、デザインならデザインで、ウェブデザインの本は沢山ありますが、基本は色と形なので、紙の時代から出ているものでも、今出ているものでもかき集めて、勉強するに尽きると思います。私が最近仕事の依頼を受けているのは、ゼクシィnetとHPの更新の基礎を教えてほしいということがあるので、当然コンテンツとして、話せる内容は持っています。ウェブとは何という話から始まって、お客様の動きを理解し、更新できる内容や構造を理解し、お客様がどのように見るか、どういう結果が出て、どういう改善活動をするかというものはワンセットで話をすることは普段しています。 基本的なことであれば3時間から6時間でできる内容にまとめてあります。会社によって必要となるものに差があります。

特に危険な「フェア」のネーミング

ゼクシィnetで言えば、持っている写真を理解しその会場も含めて理解しておかないといけないのですが、今この業界の問題は「若いからできるだろう」的な発想で新人にやらせていることです。若いからできるというほど単純なことでもないです。あれが好き、これが好きは出来ても、Twitterで一言つぶやくのとは違い、全体の構成力が必要になり、整えないといけないからです。 こういうゼクシィnetの苦労がわかっている人が撮影のディレクションに入ると、あれもこれも欲しいとなりますが、ゼクシィや一部広告撮影のプロ中のプロなどに依頼すると彼らは自分たちでゼクシィnetを更新しないので、撮影をしてもこだわりの少しの枚数だけになり、結局ゼクシィnetに使う分には足りなかったとなりがちです。
また、こう更新しましょうというような機能のマニュアルだけでは不足です。特にフェアのネーミングは危険です。他のページを見ずにいきなりフェア検索に来る人だけならそこだけ考えてもいいかもしれませんが、本誌や、フォトギャラリー、プランを先に見る人も多く、他社とも比較し、そのうえでさあフェアに行こう!というカップルも多数います。ネーミングの中に「料理長特選の~」とあってもゼクシィに料理長が載っていないということも起こるとダメなのはわかりますよね。マタニティのフェアをやっても実際に書いてあるのは、初めてのふたりとか書いてあったりすることもあります。タイトルだけこねくり回し、他のフェアのフォーマットを転用していることがよく見られます。少人数フェアなのに、「壮大なチャペル」「120名まで入る大宴会場」など全くちぐはぐなことがかかれていることも多くあります。整合性が取れていないことは整えていくべきです。

店固有のものとどこでも使えるものを見極める

他社が流行っているなどの情報から、真似をするケースも多いのです。それが上手くいくケースもありますが、自社にそれがマッチしているか、他の商品と整合性が取れているかどうかも含めて判断していかないとかえって悪くなるケースも見られます。真似をするなら、その店固有のものとどこでも使えるものをちゃんと分けて考える必要はあります。それをせずに安易に真似をすると失敗するケースが多くあります。最近多いのは、敵が10大特典だから、うちは12大特典だ!と一部フェアの成約特典を増やしているが、結局フェア名以外は何も変わっておらず、むしろ月間では総来店数を落とすこともあります。 ゼクシィ本誌のページ数が多いか少ないでもお客様の動きは変わります。それは、お客様にどう知られるかが変わるからです。ページ数が多い場合は、本誌戦略に合わせてネットを調整することをお勧めしておりますが、ページ数が少ない場合は自分たちの本誌ページを見た人がゼクシィnetに到達して見る人よりも、他の式場のページを見て、ネットに移行し、“あなたにおすすめ”や“こんな式場も見てます”と出てきたものをついでに見ることが多いので、ゼクシィ本誌に合わせるよりは基本に忠実にした方がよいのです。よく当たるところとの比較なども必要になります。
集客そのものが他力の方が大きいならば、自分たちの良さを素直に載せるよりも、他の会場と比較していることになるので、それを意識して文言や重視するポイントを変えていく必要があります。例えば、衣装が自分たちで強みだと思っていても、敵に負けるのがわかれば、出し方を気をつけることもあります。そういうものも考えていく必要はあるでしょう。


  <最新情報はウエディングジャーナルにて掲載中>

サービス情報

NEWS

4D BLOG